【vol.65 MG 1/100 ターンX】 レビュー

MG 1/100 Concept-X 6-1-2 ターンX 完成品 正面

MG 1/100 Concept-X 6-1-2 ターンXを、実際に組み立ててレビューします。『∀ガンダム』に登場する、工業デザイナーのシド・ミードが手がけた異形のモビルスーツを、2014年発売のMGが1/100スケールで立体化したキットです。組み立て時間は約240分、難易度は5段階で★4。左右で形の違う非対称デザインをそのまま再現しているため、腕まわりでは左右の取り違えに注意が必要でした。大型キットながら専用スタンドが標準で付属する点や、背中のキャラパスに小さい武器を付けると少し緩い点など、実際に組んで分かったことを具体的に共有します。

1. はじめに ― ターンXという機体

ターンXは、『∀ガンダム』に登場する機体です。劇中では地球の文明を滅ぼしたとされる存在で、物語の終盤ではギム・ギンガナムが駆ります。主役機である∀ガンダムと対になる兄弟機、あるいはそれ以上の存在として描かれ、作品の中でも特別な位置づけを与えられた機体です。

この機体の造形を手がけたのは、映画の美術などで知られる工業デザイナーのシド・ミードです。一般的なロボットの造形とはまったく異なる発想でまとめられており、脚は直線的な面で構成されているのに対し、上半身へ向かうにつれて曲線が増えていきます。さらに左右で形が違う非対称なシルエットで、どの角度から見ても同じ表情にならない独特な形です。

本キットはその機体を、2014年6月発売のMG(マスターグレード)として1/100スケールで立体化したものです。背中のウェポンプラットホーム「キャラパス」や、機体各部を分離させて攻撃する機構まで再現されています。価格は7,040円(税込)とMGの中では高めですが、そのぶん内容も充実しています。

ターンXは、ロボットというより工業製品に近い形をしていて、以前から気になっていた機体でした。1/100というサイズでこの形をどう成立させているのか、自分の手で確かめたくてMGを選んでいます。

2. 商品情報

  • 商品名:MG 1/100 Concept-X 6-1-2 ターンX
  • スケール:1/100
  • シリーズ:MG(マスターグレード)
  • 発売日:2014年6月14日
  • 価格:7,040円(税込)
  • 対象年齢:15歳以上
  • 販売形態:一般販売
  • 主な付属品:専用ディスプレイスタンド、ウェポンプラットホーム「キャラパス」、ハンド・ビームガンほか各種武装
  • 機体出典:『∀ガンダム』

MGでは、同じ作品から∀ガンダム(月光蝶Ver.)も立体化されているほか、∀ガンダムとターンXをナノスキンイメージで仕上げたセットも展開されています。作品の対になる2機をそろえて並べる、という楽しみ方ができるラインです。

3. パッケージ・キット構成

このキットの構成で一番の特徴は、左右で形の異なるパーツが数多く含まれている点です。左右非対称のデザインをそのまま立体化しているため、一般的なキットのように「左右同じものを2つ組む」という進め方ができない箇所があります。組み立てに時間がかかる理由の一つがここにあります。

付属品で見逃せないのが、専用のディスプレイスタンドです。大型で独特な体型の機体にもかかわらず、飾るための台座が標準で同梱されています。武装はハンド・ビームガンなどが付属し、背中のウェポンプラットホーム「キャラパス」に取り付けられる構成です。

パーツ数は多めなので、組み始める前に、パーツがつながった枠(ランナー)を広げて全体を確認しておくと、後の工程で迷いにくくなります。

4. 組み立て ― 約240分、つまずきやすいポイント

組み立て時間は約240分。難易度は5段階で★★★★☆と、MGの中でも手応えのある部類です。腰を据えて取り組む時間を確保しておくと安心できます。

  • 腕まわりは左右の取り違えに注意:このキットで最も気を使ったのがここです。左右非対称のデザインをそのまま再現しているため、アームユニットをはじめとする腕のパーツは、左右で形が違います。似た形のパーツが並ぶ場面もあり、説明書の左右表示を一つひとつ確認しながら進める必要がありました。集中力が要る工程です。
  • ゲート処理は仕上がりに直結する:曲面のパーツと直線のパーツが複雑に交差する造形です。パーツと枠をつなぐ部分(ゲート)の跡が残っていると、面のなめらかさが損なわれて目立ちます。二度切りのうえ、最後に軽くヤスリで整えると、この機体ならではの面の流れが素直に出てきます。
  • 分離機構のあるブロック構造:劇中の分離攻撃「ブラッディ・シージ」を再現するため、各ブロックが独立して外せる構造になっています。組み立て中も差し込みの向きを確認しながら進めると、完成後の脱着がスムーズです。

工程そのものは長いものの、説明書に沿って進めれば手が止まって困る場面はありませんでした。時間がかかるのは、パーツ数と左右確認の丁寧さによるものです。

5. 組み上がりレビュー ― 立ち姿の美しさと、キャラパスの緩さ

完成してまず感じたのは、立ち姿そのものの完成度です。特に正面から見たときと、脚全体が見える斜めからのアングルが良く、直線的な脚部から上半身に向かって曲線が増していく流れをはっきり味わえます。動かして遊ぶというより、置いて眺める時間が長くなるタイプのキットでした。

飾る面で助かるのが、専用のディスプレイスタンドが標準で付属することです。大型で独特な体型の機体は重心が取りにくくなりがちですが、台座が最初から用意されているため、重心を気にせず長期間そのまま飾っておけます。別途スタンドを買い足さずに済むのは、素直にありがたい点でした。

気になった点として挙げたいのが、背中のキャラパスの保持力です。ハンド・ビームガンのような小さい武器は、フックに引っ掛ける程度の構造で固定されます。触れた拍子に落ちてしまうほどではないものの、しっかり固定されている感覚ではありません。持ち運んだり角度を変えたりするときは、少し気をつけて扱う必要がありました。

もう一点、飾るうえで気づいたことがあります。このキットは正面と斜めからの姿が良い反面、見せ場になる角度はかなり限られました。真横や真後ろから見ると、正面で感じた形の流れが読み取りにくくなり、印象が一段落ちます。部屋のどこに、どちらを向けて置くか。それを先に決めてから飾る場所を選んだほうが、この機体は良く見えました。

6. シリーズ内での位置づけ ― 何を選ぶと楽しいか

  • MG ∀ガンダム(月光蝶Ver.)との関係:作品の中で対になる2機が、どちらも同じMG・1/100スケールで立体化されています。∀ガンダムが丸みのあるまとまった造形なのに対し、ターンXは非対称で角度によって表情が変わる造形です。並べると方向性の違いがはっきり出るため、2機そろえる前提で考えても楽しめます。
  • ナノスキンイメージ版との違い:∀ガンダムとターンXをナノスキンイメージで仕上げたセットも展開されています。同じ機体でも成形色の方向性が変わるため、通常版とは見え方が違ってきます。
  • 「動かす」より「飾る」寄り:本キットは、可動で魅せるよりも造形そのものを眺めるタイプです。専用スタンドが付属することもあり、角度を決めて長く飾っておく使い方に向いています。

7. きれいに仕上げるためのワンポイント

塗装をしない場合でも、もうひと手間で見栄えが変わる箇所を挙げておきます。

  • ゲート処理を丁寧に:このキットでは特に効きます。曲面と直線が交差する造形なので、切り跡を消しておくと面のつながりが素直に見えます。
  • スミ入れ:面の分割が多い機体です。装甲の溝(パネルライン)に濃い色の塗料を流し込む「スミ入れ」をすると、面の構成が読み取りやすくなります。
  • つや消しトップコート:仕上げに吹く透明の塗料です。薄く吹くとプラスチック自体の色(成形色)のテカりが落ち着き、彫刻のような質感に近づきます。
  • キャラパスの固定:小さい武器の緩さが気になる場合、接触面にテープを薄く貼って厚みを足すと、引っ掛かりを補えます。

8. 購入前に確認したいこと

  • 価格は7,040円(税込)。MGの中では高めの部類なので、予算を見て検討したいところです。
  • 組み立てに約240分かかります。腕まわりの左右確認もあるため、まとまった時間を確保できるときに着手するのがおすすめです。
  • 左右非対称のパーツが多く、左右の取り違えが起きやすい構造です。説明書の確認を省かずに進めてください。
  • 専用スタンドが標準付属します。別途スタンドを買い足す必要はありません。
  • 大型キットのため、飾るスペースを先に確保しておくと安心です。
  • 2014年発売のキットです。店頭在庫は時期によって変動するので、見かけたときが入手の機会になります。

9. Good & More

Good

  • 正面と斜めからの立ち姿が良く、直線から曲線へ移り変わる独特の造形を存分に味わえます。
  • 専用ディスプレイスタンドが標準付属。大型で重心の取りにくい体型でも、安心して長く飾っておけます。
  • 左右非対称のデザインがそのまま立体化されており、見る角度ごとに表情が変わります。
  • 分離機構を備えたブロック構造で、劇中の攻撃シーンの再現にも対応します。

More(気になった点)

  • 背中のキャラパスに小さい武器を付けたときの固定が、フックに引っ掛ける程度で少し緩く感じます。
  • 見せ場になる角度が限られます。正面と斜めは良い一方、真横や真後ろからは形の流れが読み取りにくく、置き方を決め打ちする必要があります。

10. スコア

総合評価:★★★★★

ひとこと:「アートのような佇まいで、今の目で見ても先進性を感じる造形です。正面や斜めから見たときの形の流れは見事の一言。左右非対称の腕パーツの組み立てに神経を使う点、キャラパスの小型武器の固定に少し緩さを感じる点はありますが、専用スタンド付きで安心して造形に浸れる、満足度の高いキットです。」

11. まとめ

MG 1/100 Concept-X 6-1-2 ターンXは、組み立てに約240分かかり、腕まわりでは左右の確認も求められるキットです。それでも完成したあとの立ち姿には、時間をかけた手応えがしっかり残ります。ガンプラという枠を超えて、一つの彫刻を組み立てたような感覚を味わえる一体でした。『∀ガンダム』の世界観が好きな方はもちろん、他のどのガンプラとも違う造形に触れてみたい方にも向いています。飾るなら、付属スタンドを使い、脚から上半身への形の流れが一番よく見える「正面やや斜め」の角度で固定するのがおすすめです。

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